さて、どんどん行きましょう! 今回はWizards' Hymnの1stアルバムです。
Wizards' HymnのリーダーであったDsの今井氏とはそもそも、弊社リリース第5弾としてアルバムを出させていただいたAREA51のメンバーとして会話をするようになったんじゃないかと思います。まだ若い(当時、大学生)のに、正確でタイトかつパワフルなドラミング…タム(通常バスドラムの上に配置される、比較的小口径のドラム)のセッティングが地面に対して並行だというのも、「まるでF・バナリ(QUIET RIOT)みたいだな…!」と。F・バナリ大好きなんですよ…あのプレイ・スタイルが。
偶然VoのKimikoさんも偶然知り合い(正確には「知り合いの知り合い」…的な)だったりで、バンドのライヴを見に行くようになり、アルバム・リリース前に配布していたデモCD-Rをいただいたり。
デモCD-Rといえば…本作にも再録で収録されていますが、当時デモで無料配布されていた“The Call From The Unknown”という曲が個人的にかなりお気に入りで、(勿論、本作がリリースされる前どころか、契約すらしていない頃に)FM大阪でキャプテン和田氏がDJをされていた「Captain Rock」というメタル番組で、「国産メタルのミニ特集」をやるということで、氏に呼ばれて、和田氏との対談形式+ナント私の選曲で1時間喋らせて貰った時に、「今後要注目の新人バンド」ということで曲を紹介した2バンドのうちの1つがWizards' Hymnだったんです(余談ですが、もう1つはLONGINUS…曲は未だCD-Rにしか収録されていない、隠れた名曲“Magic”でした)。
そんなこんなで「アルバム出すなら、是非ウチで!」とラヴ・コールを送った甲斐あって、正式に契約をすることになった訳です。
アートワークは(今も日本・アジアのエージェントを弊社が務めている)スウェーデンのアートワーク・デザイナー:C.A.ベクストンです。今でこそよくある話ですが、彼らは当時からメール等で海外と密に繋がっており、海外のメタル・ファン達から圧倒的な支持を受けていました。そんなこともあり、アートワークはかなり「欧米の人が考える”オリエンタリズム”」を強く意識したモチーフとデザインとなりました。その甲斐あってか、英国のレーベル「Majestic Records」(HELLHOUND「鋼鉄のいけにえ」と同じレーベル…その後、倒産)と契約し、アルバムは欧米でもリリースされました。
今思えば、彼らは「女性Voメロスピ」のハシリみたいなバンドで、稀有な存在だったと思います。その後、バンドはVoを替え、音楽性を変えた2ndアルバムをリリースしますが(後日、改めてご紹介します)、その後諸事情で空中分解してしまいます。今だに「勿体無い」と個人的に思うバンドです。